年度末

はやいなぁ…あっという間に年度末だよ。

大災害で周りもバタバタしたり、「不謹慎」と言われないかびくびくしながら行動したり、雰囲気がおかしい。やたら声の大きい人がでてきたり、デマが流れたり…。そして大概のことは「地震の影響で…」といっておけばなんとかなってしまうかもしれない。

私は、地震のあった1995年に大学に入学し、関西にやってきた。関西出身、と自己紹介でいう人は「地震、どやった?」という会話が枕詞について、「家が半壊した」「停電した」などそれに続く言葉が交わされた。

大学では、多くの教員が震災復興をテーマに研究を始めた。学部が「産業」とか「ボランティア」とか「NPO」に注目していたところだったので、当然と言えば当然だった。個人的にはオウム真理教がらみで盛り上がってたメディア研究もよく勉強した。どちらも、メディアが注目しなくなってからがおもしろかった。もちろん、このおもしろいは「笑える」という意味ではない。研究者は真剣に「おもしろい」と思っているが、それは一般の人が思う「おもしろい」とは少し違う。

「笑っちゃうよね」「笑えてきた」という単語がバッシングされているが、当の人たちがどんな意味でその言葉が出たのかは、当人たちに聞いてみたらよろしい。脊髄反射で「けしからん!」と言う人はマッカランでも飲みながら文脈について考えてみたらよろしい。

日常は必ず戻ってくる。金と社会関係資本に余裕のある人には早く、そうでない人にはだいぶ遅れて、日常は戻ってくる。日常回復速度に金と社会関係資本が強く影響していることを実証的に明らかにしたのが、阪神大震災での社会学の大きな成果であった。

私は、2011年度を「日常」的に迎えるべく、今日もガイダンスの資料や、講義の準備や、遅々として進まないデータ分析を地震が来たら確実に倒壊するこの建物の中でするしかない。来年度こそは、良い年度になりますように。